教育コース履修者の声

認知症チーム医療リーダー養成コース(本科コース)

認プロで特にお勧め出来る点は、デメンシアカンファレンス、FD講演会、e-ラーニングです。デメンシアカンファレンスでは4つの大学と6つの病院をテレビ会議の装置で繋ぎ、リアルタイムで症例検討会(デメンシアカンファレンス)を行うことが出来ます。自科では経験しないような症例も多く、勉強になる点が多いです。FD講演会では、認知症における各分野のプロフェッショナルを外部からお招きして、先ほどと同じくテレビ会議の装置で繋ぎ、講演を聞くことが出来ます。基礎的なことから実践的なこと、将来の展望なども学ぶことが出来るので、モチベーションが上がります。e-ラーニングでは、認知症疾患の基礎と臨床を専門医の解説付きで詳しく学べます。動画で何度も視聴できますし、最後に試験も付いていますので、日々の臨床に出る前に基礎的な知識を身に付けるために最適だと思います。

DSC_1049(金沢大学 山口 浩輝 先生)

私が認プロを受講した理由は、認知症の診療を通じて、真剣に学んでみたいと思ったからです。認知症は他疾患と異なり、罹患した患者さんだけの問題ではなく、介護する家族全体の問題、ひいては社会全体の問題になることが多く、家族背景の違いから、その家庭それぞれで悩んでいることが違っていたりと単純ではありません。また、認知症のタイプにより、予後は異なりますし、抗認知症薬やBPSDに対する治療薬などを適切に使用すれば、患者さんや家族の方に喜ばれ、やりがいを感じることから、学ぶことが多いと感じました。認プロはビデオ講義(e-learning)のほか、ライブ中継を通して他施設で経験した認知症のやや変わった症例などの提示が毎月あり、認知症を学ぶコンテンツとしては非常に優れていると考えています。また、認知症の研究や臨床のトップランナーの先生による講演なども拝聴する機会もあり、私自身の認知症診療に深みが出ていると実感しています。認知症の臨床や研究をする上で基礎から応用まで学ぶ場として、認プロは非常に活用しやすいため、興味のある先生方にはぜひおすすめしたいと思います。

林幸司先生(金沢大学 林 幸司 先生)

耳鼻咽喉科と認知症はあまり関連がないと思われがちですが、実は深い関わりがあります。私が大学院に入り勉強している研究テーマは、嗅覚障害についてです。アルツハイマー病では記憶障害よりも嗅覚障害が先に現れると言われ、においがきっかけで記憶への刺激となると考えられています。今後、高齢者の増加が危惧される日本では、認知症は一つの課題となると考えられます。そこで、嗅覚障害と認知症のつながりを研究し今後に役立てられたらという思いから、認プロを選択しました。認プロでは神経内科や精神科のデメンシアカンファレンスに参加し、認知症についての勉強をしています。併せて、現在は嗅覚障害から嗅覚の再生までの過程を、マウスを使って研究しています。まだまだ研究途中段階のため思ったような結果が出ない事もありますが、新しい発見の連続で面白さを感じています。認プロは認知症という大きなテーマの中から、あらゆる研究のヒントを得られるコースであり、これから大学院で勉強する上で選択しがいがあると思います。

DSC00024トリミング後(金沢医科大学 中村 有加里 先生)

私は耳鼻咽喉科に所属しており、特に嗅覚について興味があります。加齢や認知症による嗅覚の低下は知られていますが、本科コースでの学習を通して、まずは認知症についてを学び、現状を知り、認知機能の低下と嗅覚の結びつきについてをより明確にする足がかりとして、本科コースの履修を選択しました。認知症は多くの発表・研究がなされていますが、普段、特に現在取り組まれている認知症へのアプローチについて知る機会はそう多くありません。本科コースの履修により、症例提示やディスカッション、講演会に参加でき、大変勉強になります。先に述べたような現在取り組まれている認知症へのアプローチの他、基礎的な方面についても学ぶ講座もあり、認知症への知識を高めるだけでなく、より身近なものと捉えることが出来るようになるのではないかと思います。

DSC00042(金沢医科大学 平場 友子 先生)

地域認知症専門医師研修コース(インテンシブ)

私が認プロのインテンシブコースを受講したのは、日頃の認知症診療が独りよがりになってしまているような気がしており、再度系統だった認知症の勉強が必要と感じたからです。認プロはビデオ講座にて自分の興味ある分野を選べ、自宅にてじっくり繰り返し学べます。本や講演会では聞けない、基礎から最先端の情報が一度に手に入り、大変臨床に役立っています。また最後にテストがあるので、自宅でも緊張感をもって聞けます。すこやかシルバー病院へ出かけて聞くライブ中継(デメンシアカンファレンス)も大変興味深く、色んな多施設の症例を経験できました。ライブ終了後、集まった先生方と症例について感想を話しあうことも有意義です。高齢化社会を前に、今後ますますどの科の先生でも認知症と向き合いながら診療する必要があります。自宅または身近にある病院にて一流の研修が無料でできますので、是非興味あるかかりつけ医の先生方に参加をお勧めしたいと思います。

永田先生(福井大学 永田 美和子 先生)

奥越の福井勝山総合病院に勤め長期になるとどの患者様も疾患だけではなく精神的な面から家族間の問題まですべてに対し診察・治療を要求されるようになります。ご高齢の方が多く、認知症を外しては診察できません。また患者様だけを外来で診察していると、まったく認知症だと気が付かないことも多くあります。ご家族が本人とは別に来られて話があるのでと、よくよく聞いてみると、実は認知症により家族が大変困っていることを聞かされ、びっくりすることも多々あります。しかし日ごろ活躍していた方は、かえってプライドが高く、精神科受診など受け入れてくれず、かつ奥越では精神科の先生が少ないため、なかなか相談もできません。医師というだけで、患者様はすべてを診察してくれるかつ長期に診察していると、自分の主治医的に思われる患者様が多く、このような患者様のためにも自分が認知症に熟知し、診察・治療していかなければならないと思いました。そのため、認プロのインテンシブコースを受講しました。実際認プロに入って、精神科の先生方の講義や症例報告を聞く機会が多く持て、進歩している認知症診断・治療に対し多くの知識が得られました。自分1人ではこれだけの知識を短期間に得ることができないので大変役立っています。専門外だからこそ認プロでの知識は大変貴重でありがたいと思います。全人的診察・治療を今後していこうとする先生方にはお勧めだと思います。

江守先生(福井大学 江守 裕子 先生)