認プロ紹介

挨拶と認プロの概要

『認プロ』にようこそ!

認プロ・プロジェクトリーダー 山田正仁

認プロ・プロジェクトリーダー 山田正仁
[金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 脳老化・神経病態学(神経内科学)教授]

平成26年度から文部科学省の新規事業『課題解決型高度医療人材養成プログラム』としてスタートいたしました、私達の『北陸認知症プロフェッショナル医養成プラン』(『認プロ』)のホームページをご訪問いただきありがとうございます。この場をお借りし、『認プロ』がスタートするに至った経緯や『認プロ』の概要を紹介させていただきます。

この文科省のプログラムは、高度な教育力・技術力を有する大学が核となって教育プログラムを実践・展開することにより、わが国が抱える医療現場の課題に対して科学的根拠に基づいた医療が提供できる高度医療専門人材を育成し、課題を解決し健康立国・健康長寿社会を実現しようとするものです。その中の『医師・歯科医師を対象とする人材養成』の取組の中の『特に高度な知識・技能が必要とされる分野の医師養成:難治性疾患診断・治療領域』において、私達は北陸医科系4大学の拠点ネットワークを中核に関連医療機関等が連携して取り組むプログラム『認プロ』を推進しています。

認知症のプロフェッショナル医を養成するプランを提案するに至った背景には次のようなことがあります。1つには、社会の高齢化に伴う認知症の人の急増です。厚生労働省研究班の全国推計(2013)では、認知症462万人(65歳以上の15%)、認知症の前段階である軽度認知障害400万人(65歳以上の13%)と推計されました。さらに2025年には認知症700万人に増加することが予想されています。また、私達の石川県七尾市中島町における認知症地域研究(なかじまプロジェクト)の悉皆調査では、65歳以上の約30%、85歳以上では約70%以上が認知症あるいは軽度認知障害を有していました。今後、診療のみならず、介護・福祉等、認知症に関わる全ての領域において、認知症対策の担い手として活躍できる人材を育成することは喫緊の課題です。一方、認知症の専門医の状況はどうでしょうか?日本認知症学会の専門医数をみますと、全国で827名、全国平均で人口10万人あたり専門医0.7名です(2014年5月現在)。北陸3県の専門医は22名で、人口10万人あたりでは全国平均と同じ0.7名です。すなわち、専門医は北陸を含め全国的に非常に不足した状況にあります。さらに、高度の認知症診療力を有する、真の認知症プロフェッショナル医が求められています。認知症医療の最先端に位置する知識・診療技能、地域において認知症の人や家族に対して幅広い支援ができる多職種連携力、未来の認知症医療(予防を含む)を創造する研究力等を備えた医師の育成が必要です。

 本プランは北陸の医科系4大学(金沢大学、富山大学、福井大学、金沢医科大学)が拠点ネットワークを形成し、地域医療機関と連携し、研究機関、自治体等の協力を得て実施します。

認プロ概要図

 特色のある4種類のコースを設定します。①本科コース、②インテンシブ研修コース、③スペシャル研修コース、④スーパーコースの4つです。①の本科コースがメインプログラムで、大学院生を対象に高度の知識・技能を有する認知症チーム医療リーダー医師の養成をめざします。②のインテンシブ研修コースは、地域における認知症診療で活躍する専門医師の研修が目的です。③のスペシャル研修コースでは、認知症・神経難病の臨床病理や、地域フィールドにおける認知症早期発見・予防・ケアなど、特定領域を集中して研修します。④のスーパーコースは医学生の時から卒前・卒後一貫教育により高度な研究力を有する認知症スーパープロフェッショナル医の養成を行うものです。また、認知症に対する理解を深めるために、医師向けのシンポジウムや、一般の方向けの市民講座などを積極的に行ってまいります。

がん医療に関わる優れた医療人育成を目標とする文部科学省のプログラム(『がんプロ』)が全国的に推進されており、北陸地域では医科系・看護系5大学等の連携による『北陸がんプロ』(統括コーディネーター:並木幹夫・金沢大学附属病院長)が走っております。それにならって、本プランを『認プロ』とよびます。『認プロ』は、北陸医科系4大学の神経内科、精神科、高齢医学科の先生方を中心に、認知症診療に携わる大学関連施設・機関等の方々の英知・総力を結集し、国内外からのご支援をいただきながら本事業を推進してまいります。がんと並ぶ、屈指のcommon diseaseである認知症を対象に、本事業が全国に先駆けて始まることは大変意義深く、21世紀半ばの超高齢化社会の認知症対策で活躍する専門医師育成のモデル事業となることが期待されます。さらに、近い将来、医師ばかりでなく、看護、介護、リハビリ、保健・福祉等の職種にも対象を拡大し、認知症に関わるさまざまな領域においてプロフェッショナルを育成し、認知症の正しい理解に基づく高いレベルの多職種間連携による認知症対策の実現に貢献したいと存じます。

皆様のご指導・ご支援をよろしくお願い申し上げます。

2015年2月